冬は内から(コツコツと)、周囲へ向けて鑿《のみ》を当て、木彫りの夜を、彫って広げた。 ある日うっかり刃が当たり(一瞬の乾いた音)丸盆のような木製の月、真っ二つに割ってしまった。高らかに鳴り響いたその音は、幾多の星を吹き飛ばし、灯火の多々を打…
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